抜戸岳南尾根〜笠ケ岳〜クリヤ谷

2004年12月19日(日)〜26日(日)
小倉


12/19 (日) 晴れ
あやめ池17:39 ― 名古屋19:51/20:20 ― 高山23:10 (泊) 

名古屋までは近鉄で行きました。名古屋からは、最終の高山行き高速バスに乗って、そして高山駅前で仮眠しました。


12/20 (月) 曇り
高山7:00 ― 新穂高温泉8:38/9:00 ― 抜戸岳南尾根取り付き
10:20 ― コル1 12:20 ― P3 14:30 (泊)

朝一番の新穂高温泉行きのバスに乗りました。道路には全く雪は有りません。
抜戸岳南尾根の末端は、ガケになっているので、回り込んで穴毛谷側の小ルンゼから尾根に登りました。この時点で積雪は10cm程でした。初めから凄い薮漕ぎでした。踏み跡は薄く、ただ忠実に尾根をたどりました。P2辺りから、いくぶん薮漕ぎもましになりました。薮漕ぎをしている時にザックのサイドに付けていた銀マットを落としてしまった。先に進んでも明るい内にテント適地まで行けそうにありませんので、ちょっと早いがP3ピークの樹林の中にテントを張りました。


12/21 (火) 曇り時々晴れ
P3 6:15 ― コル7 16:30  (泊)

 この日のメインは穴毛槍(P5)の通過でした。登りは、左側の隈ザサの上に雪が積もっている急なルンゼをたどります。雪が不安定な場合は雪崩れそうです。穴毛槍のピークの左側に出ました。此処もテントが張れます。そして、いよいよナイフリッジの下りです。これを見たときは、なんじゃこれは、どうやって行くんじゃ、と一人で叫んでいました。リッジ通しに行けない時は、右側の急斜面をトラバースするとトポにありました。でもトラバースもイヤらしい。

試しに、リッジに積もった雪をピッケルでたたき落していたら、スタンスとホールドが出てきました。よかった、ノーザイルで何とか通過できました。
その後は、はい松の上に乗った雪の稜線をたびたび踏み抜いて腰までハマリマス、なかなか距離が稼げません。コル7で泊としました。


12/22 (水) 曇り
コル7 6:30 ― P8 12:00  (泊)   

この日も、はい松の踏み抜きで、もどかしいほど進みません。
朝の早い時間帯に南壁のコルに着けば、南壁にザイルを伸ばそうと思っていましたが時間が掛かってしまい、南壁のコルに続くナイフリッジの手前で時間は早いが泊としました。そして、明日のために、南壁のコルまでナイフリッジにトレースをつけておきました。テン場からは、南壁が良く見えます。1P目のルートはわかりますが、2P目のルート取りが良くわかりません。
南壁のエスケープルートとして、コルから左に50mトラバースして10m懸垂を1回してルンゼに降り立ち、それを詰め上がると南壁の頭に出ます。南壁を登るか、エスケープルートを行くか非常に迷いました。というのも南壁の1P目は単純なアブミの架け替えだけで済みそうになかったからです。それに2P目のルート取りもよく解らないという不安がありました。


12/23 (木) 曇り後雪
P8 6:50 ― P9南壁のコル 7:20/8:30 ― 登攀終了 16:00 ― P9南壁の頭手前 16:30 (泊) 

結局、予定どおり南壁を登ることにしました。南壁のコルから取り付きまで急な雪壁に空身でザイルを35m伸ばします。取り付きにザイルを固定、懸垂します。そして荷物を担いで登り返します。南壁の1P目は20mで初めの4ピン程はアブミの架け替えです。そして右へ1mトラバースして、身体がちょうど入る位の狭いチムニ―を1m程ずり上がります。チムニ―の出口に半分しか刺さっていないハーケンにシュリンゲをタイオフしてアブミを架けてゆっくり乗り込みました。一旦フェースに出て2つ目のチムニーに入ります。そのチムニー内にビレー点がありますが、切らずにアブミの架け替えで登り、はい松で切りました。

2P目は、45mで2つのセクションがあります。1つ目は3mほどのフレークです。2つ目は、かぶった凹角でだいぶてこずりました。終了したころには、日没が迫っていました。


12/24 (金) 晴れ
P9南壁の頭手前 6:40 ― P9 8:00 ― 抜戸岳 12:45 ― 
笠ケ岳山荘 15:00 (泊) 

今日も、はい松の踏み抜きで体力の消耗が激しく距離が稼げません。
笠新道から、中高年5人パーティのトレースが抜戸岳を越えて、笠ケ岳までついていました。前日の疲労で超スローペースです。このトレースがなければ
笠ケ岳山荘にたどり着けませんでした。中高年パーティーに出会った時、ラッセルありがとうと言おうとしましたが、喋ろうとしても声が直ぐ出ませんでした。5日間、登山者に出会わなかったから。


12/25 (土) 快晴
 笠ケ岳山荘 7:00 ― 笠ケ岳 7:20 ― 中尾温泉口 16:50 (泊)

後は、楽な下降と思っていましたが、なかなかそう美味くいきません。はい松の踏み抜きでスローペースです。クリヤ谷の下降でヘルメットを無くしてしまった。計画ではクリヤの岩小屋でBCを設営して3ルンゼと左方カンテをかたづけるつもりでしたが、すでに、気力・体力・装備(ヘルメット)がありません。
登らずに下降しました。疲れていたので、槍見館に泊まろうと思ってフロントに行きましたが、満室だからと、つれない返事でした。しかたがないので、
中尾高原口にある無料の露天風呂駐車場の隅にテントを張りました。


12/26 (日) 雪
 中尾温泉口 7:43 ― 高山 9:20/10:40 ― 名古屋 13:33/14:30 ― あやめ池 17:30



冬山に入る場合、ザックは25キロ以下に抑えています。減らせる物は、食料しかありません。今回のようにガチャ類が多い場合は大変でした。
此処で今回、どんな食料を持って行ったか紹介しましょう。

朝食は、粉末のみそ汁にアルファ米を30g入れた物またはダシ付きのサイコロより少し大きめの高野豆腐が6個にアルファ米30gを入れた物を交互に食べました。
 夕食は、スーパー・ジャパン・オリジナルの小さ目のラーメンと普通サイズのラーメンを同じ数を用意して、ひもじい時は、普通サイズのラーメンを食べて、それ以外の時は、小さいラーメンを食べました。
人間の身体は上手く出来ています。その状況に適応していきます。初めは、お腹が空いてしかたなかったのですが、だんだん胃袋が縮んだみたいで、持って行った食料で満足出来るようになりました。
そして、アルコールは一滴も持って行きませんでした。


『登攀装備一覧』
ハーネス・チェストハーネス・ヘルメット・ザイル8.3×60×1・エイト環・
カラビナ×10・安環ビナ×4・シュリンゲ×適量・アブミ×2・シャント・
ユマール・ハーケン×5・スクリュウ×2・バイル・ピッケル・アイゼン

(小倉)